第17話:お気に入りの本を語る(前)

サビカス先生は「お気に入りの本・映画」について語ることについて「クライエントの自己概念が望ましい場と統合させている」事に注目しましょう、とゆーてはります。

本や映画の物語を、相談者というフィルタを通して言葉にしてもらうこと。それは相談者の人生の大きな問題やテーマやったりとかを、どんな風にしたいのかっていう風に語るらしいんですね。

なもんで、ちょいと自分の好きなストーリーを振り返ってみました。

 

「ナラティブ」「物語を紡ぐ」というワードで真っ先に思い浮かんだのは、萩尾望都さんの作品『A-A'』

初出が1981年・・・昭和56年、ということで今から34年前の作品ですね。そして私は初掲載の「月刊プリンセス」巻頭カラーのを初めて読みましたがな。

そして、このマンガのラストシーン、主人公のアデラド・リーの台詞が思い浮かんできたのです。

 

このSFストーリーは、クローン人間の「同一の存在でありながら異なるものである」という葛藤を描き、それぞれの人の中で醸成し超えていくものと描き出しました。

 

異星での開発研究で命を落としたアデラド・リー。この研究チームのメンバーは命を落とす事故があった時のためにクローンを作製できるようになっていた。

クローン体のアデラドは子どもの頃にかわいがっていた子馬(ポニー)が死んだ記憶で涙しながら目覚める。

研究チームのレグはアデラドの恋人。しかし彼はクローン体として帰ってきたアデラドを受け入れられない。

アデラドも子馬(ポニー)を亡くした事故の時に負った背中の傷が自身の体にないことで「自分が自分でない」現実を突きつけられる。

やがてレグはアデラドを離れ、別の星で事故に巻き込まれ亡くなってしまう。それを聞いたアデラドも精神的ショックを受ける。

 

でも今度はレグがクローン体として研究チームに復活することになる。お互いにクローン体で、本体が共に共有した思い出を持たない二人。それでもアデラドは思う。

 

「あしたには愛せるかも知れない。思い出はあしたつくればいい」

「ポニーの話をしたい。この人に。長い長いあいだわたしがまっていた、あなただけに、語りたい物語がある」

 

この「あなただけに、語りたい物語がある」という感覚が、私もとても共感できるし、これまで歩んできた道のりを形作っているように感じます。

まずはうちのダンナさんですね。他のいろいろな要素よりも「この人とやったら毎日しゃべってても大丈夫やな」感が一番大きいように思いますし。

 

私がキャリアカウンセリングで目指す姿も、私に語りたいと思って語っていただくことが大切なんよなと思います。

私がキャリアカウンセラーやから、というよりも「私だから」の方が大きいと思うんですよね。相談者が「私」を選んだ、その事実を大切にしたい、みたいな。

 

物語を語ることで自分自身を理解する。「言葉」が自分自身を創っていくという感じでしょうか。

 

なのでたくさんの人に少しでも本を読んでもらう機会を増やしたいなと思っている私がいます。本を通じて自分を語れるとええね。

読書が苦手な方には「Read For Action読書会」などを通じて、他の人と本を読む機会をつくって皆で語れれればなーと思います。

 

・・・つづく。

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コメント: 2
  • #1

    ヒロポン (水曜日, 30 3月 2016 08:20)

    野口さんの想いが伝わってくるのと同時に、改めてサピカスさんのおっしゃることに納得しました。
    でも、優しいご主人なんですね~。
    見習いたい。(笑)

  • #2

    野口ゆうこ (木曜日, 31 3月 2016 00:03)

    ヒロポンさま<
    コメントありがとうございます。すごくリンクする台詞ですよね。
    若い時は誰にでも優しいもんでいろいろありました(笑)